コラム 経年変化と家の価値

今回から私の思うこと、コラムにして表現してみようと思います。内容はあくまでも個人の思いなのでつぶやきとして読んでください。深堀はどうかご遠慮願います(^-^) 

それとその時々の思うことを書いていくので続かないこともあります。間が空いたときは「今、超忙しんか?」それか「なにも考えないでボーっと生きてるんかな(^-^;」と心配していただけるありがたいです。

初回の記事、思うことは経年変化と家の価値についてです。

不動産の価値として土地はその場所の環境、整備によって価値が変動するので住環境の整った場所によっては年月が経ってもどんどん価値が上がるなんてことはよくあることです。

では建物はどうでしょうか。

いくら立派な建物でも年月とともに「資産価値」というの面で価値が下がっていきます。

これはどうしょうもないことで「法定耐用年数」で決められているからです。木造住宅の場合は耐用年数を22年、法律で定められていて22年を経過すると「資産価値が無くなる」というものです。

資産としての使用できる期間が22年、いわば建物の資産寿命を意味しています。でも寿命だからと言って住めなくなるわけではありません。

古民家などは80年、100年以上経過しているものもたくさんありますし今でも立派な住まいとして住み継がれています。

でも法律上資産として価値が0円、なんだかおかしな話です。

古民家の住まい手は長きにわたって愛着をもって暮らしている人もたくさんいるのにどうしてなのか?日本で建てられている家のすべてが古民家のように長く住み続けれるのか? 

答えはNOです。その理由は家造りの文化と産業化してきた時代の変化、背景が関係しているように思います。

戦後日本の住宅建築事情は大きな転換期を迎え、経済成長とともにより多くの世帯にいち早く住宅の供給が急がれ、主にプレハブ住宅メーカーをはじめとする大手住宅会社によって一気に持ち家の普及率が高まりました。

大量生産での合板や樹脂建材の使用率も高まり、同時に価格競争によりローコスト住宅の普及も加速し、現在では国内どこでも一律に同じ家づくりをするハウスメーカーも増えていきます。

日本は北から南まで長細く北海道と沖縄では温度と湿度など気候環境は全く違うのに一律同じ家の造り方では、長く住むための家を建てたつもりでも家自体が対応できないものなってしまっているように思います。

日本は高温多湿で特に家が長持ちするか否かに関わる湿気に対することとして「調湿」が家づくりにはとても重要とされているのは言うまでもなく、これを軽視した家づくりでは壁の中が湿気ですこしずつ腐食してしまいます。

室内での家族4人暮らしの場合では1日一人2リットルの水分を日々の暮らしの中で放出すると言われているので4人で合わせて8リットルの水分を放出していることになります。

その湿気は外に排出されなけばどうなるか?もちろん換気がその対策ですが換気行うことで温度差が生じてしまうことや、熱交換型のものでも換気フィルターの交換を怠ってしまうことでの換気量の低下など役割を果たしているか問題、課題は残されます。

今回は換気についてまた別の機会に話せたらいいと思いますが、いづれにしても室内からまた、屋外からの湿気対策は大きな課題でもあります。

これもほっておくとカビの問題や化学物質など健康面での問題と構造上の木材、壁の中の具合が悪くなります。

 そもそも家を建てる時期は結婚するタイミングや出産のタイミングが多く、子供も成長し独立するころはおおよそ家を建てて25~26年後です。

暮らし方も変わって子供も結婚して家にはいなくなる、または結婚を期に同居するなど暮らし方も変わることでリフォームを決意して、大工さんに頼んでリフォーム工事が始まります。

いざ壁をはぐったら、あまりにもひどい状況を目の当たりにしてしまうといったことが多いようです。

断熱材、グラスウールが真っ黒にかびていた、柱が腐っていた、という状態を目の当たりにしてしまうことが多くあります。

壁の中身が腐食してしまっては地震が起きても耐えられず倒壊の危険性も高まります。そこで改装やリフォームではなく、建て替えを再検討するはめに。計画変更です。

こういったことから日本の住宅の建て替え平均年数は26年とされていますが、法律で制定されている「法定耐用年数」は22年。

同じくらいの年数というものに根拠があることもなんとなく納得できます。これが根拠がどうかはわかりませんが。

冒頭お話した、今から建てる住宅が古民家と同じように長く永く住み続けられるように造るにはいかに「調湿」をうまくコントロールできるかが重要です。

人で例えるなら肌着にナイロン、さすがにビニールなどはあり得ませんがもし着用したら蒸れて汗をかくのと同じ結露など引き起こします。

逆に綿など通気性のある素材であれば蒸れは軽減されます。同じように住宅の天井や壁にビニールクロスなど透湿性のない素材では家の湿気や結露、壁の中の蒸れなど引き起こすリスクが大きくなります。

古民家が長く木材が腐食しないで強い状態を保ち続けることが出来る理由はただ一つ。

壁に使われている土壁が人の肌着でいう綿素材など役割を果たしているため調湿によって壁が蒸れて腐ってしまうことがなくいつまでも強く建ち続けていくと言わけです。

古民家のように長く住み続けるためにはまず何より家の構造が湿気をため込まず腐食することなく新築の時のような強さを長く維持できる造り方をすることが大切です。 

考えてみてください。住宅ローンは35年、今や40年時代ともいわれているのに「法定耐用年数は22年」だなんて理に適っていないと思いませんか。

写真は15年前にWB工法で建てた富山県射水市のお住まいをリフォームした際、壁をはぐり内部を撮影したものです。構造の木材はまるで新築のような状態を保ち続けていることがわかります。

株式会社KUMUKUの家づくりでは「健康」「省エネ」「高耐久」を通気断熱WB工法の採用で高い性能水準を維持しています。

今回の話では「高耐久」でしたがWB工法ではビニールクロスを使わず透湿性の高い専用の壁紙を使い、併せて通気構造によって湿気がこもらない仕組みにより壁の中の結露による腐食を防いでいます。

家を長持ちさせるためには「調湿性」と「通気性」を重視させることが重要だと考えて家づくりを行っています。

茶木均
茶木均

株式会社KUMUKU 代表取締役

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