愛着

今まで家や暮らしについて深くまじめに考える機会の無かった皆さん、これから家の計画をされる皆さんに「家を好きになってください。愛着を持ってください」と語りかけてもなんじゃらほい?

何のこと?

家に「愛着を持つ」ことの話をしても到底、伝わらないのもだと重々承知しているつもりです。

今からようやく家を建てようかなとようやく考え始めたばかりだから。

それってきっと親が子供に「勉強しない勉強しなさい」と言っているようなものに似ている気がします。

「家を好きになって愛着を持って!」は家をご提案する立場からすると何となく押しつけがましい感じさえします。 

そもそも人が何かを好きになるにはそれなりのきっかけや入口、根拠がその人にしっくり落ちる、共感できる。

それで人は初めて興味を抱くもので、まさしくそれが好きになるきっかけです。

例えば勉強でも計算が苦手でもコツがわかれば次から次へと解けるようになり自信がついて楽しくなり好きになる、こんな具合ではないでしょうか。

私がよくお客様にお伝えしているのが自分にとって大切なモノの話です。

大切にしているものならなんでもいいんですが例えば革の小物や革靴の使い込むほど革が馴染んでくるものや色の変化を楽しんだり木製の家具や椅子なんかもそうだと思います。

私の場合は腕時計です。大した代物ではありませんが私が成人してすぐに自分のお給料で買った中古の時計。それでも当時の私からすれば結構高価な買い物でした。

それからもう30年以上経過していて、定期的に壊れてくれるので(^-^; 

そのたびに修理して使い続けています。

きっかけはその時計のメーカーの歴史や値段の価値やその時の自分の想いなどが詰まっています。

時計を買いに行くぞ!と決めて入ったお店の店員さんが親切丁寧に説明してくれたこともこの腕時計を買うきっかけになったと思っています。

それから30年以上経って腕時計を使い続けて今では愛着へと変化しています。

家も同じじゃないのかなといつも思っています。

数多くの職種の職人さん達が1棟の家を手仕事で造り進めていきます。

その職人さんたちは自分の手がけた家で施主が豊かな暮らしを営み、建物は後世に渡って残る仕事として責任とプライドを持って仕事をする。

また材料は時間とともに傷んでいくプラスチックや樹脂、などは極力使わず誠実な自然素材を使った材料を使う。誠実な自然素材は経年変化が美しく、時とともに色の変化や艶がまし、風合いが良くなっていく。

そんな造り手の想いが施主、住まい手に伝わればきっと長く住んでもらえる家になると思います。

これから家を計画する皆さんが建てた後、家づくりを始めるきっかけを想いだして当時の職人さんたちの顔を想いだし足りして。

時には休憩時間に職人さんたちとお話したことも思い出されるような。

みんなの想いの詰まった家だからこそ愛着が生まれ、永く住み続けるために修理したり、手入れする気持ちが芽生えさらに愛着が深まる。

KUMUKUの家づくりはそんなお話をするところから始まります。

住んだ後にこの家にして良かったと言ってもらえることが何より喜びです。

茶木均
茶木均

株式会社KUMUKU 代表取締役

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