住宅も国消国産がいい

最近では農協さんのコマーシャルでも「国消国産」といったわかりやすい言葉で国内生産、国内消費を提唱する活動が活発になっているように感じます。

耳馴染みの言葉でいうともっと身近な自分に近い地域でいう「地産地消」もよく似た言葉だと思います。

環境問題はただ単に地球環境の改善だけではなく社会、経済の循環も同時に考えなくてはなりません。国内から地元の活性化、地元の雇用の創出などもそれをなしえるためには重要な課題だと思います。

今回は突然なんだ?堅苦しいやないかい(-_-;)かもしれませんが、この少し前にご近所の居酒屋で顔なじみのお客さんとよもやま話をしていたことを書いてみます。

以前、コロナ禍で住宅資材用の輸入木材が供給不足に陥り記憶に新しい「ウッドショック」が起こりましたよね。覚えていますか? 

いろんな要因が重ったわけですが輸入木材が日本に入りずらくなるというものです。国内の住宅に使われる木材の半部以上が輸入木材に依存していますが、当時は大打撃で業界全体が木材の確保に大混乱していました。

品不足で価格の高騰、値段より確保が優先、価格は1.5倍またはそれ以上とまで言われそれでも手当する状況が1年ほど続いたように思います。

当時は多くの工務店や住宅会社が輸入材が入らないので国産木材、特に杉材にシフトする動きが活発になっていた記憶が強く残っています。

私も前職では木材供給会社の担当者との打ち合わせ、情報収集に時間を割いていたものです。

しかし、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、コロナ禍が終息するに伴い、国産材への移行も安い輸入木材へとまた逆戻りです。

今は木材の価格は安定していて以前の価格に戻りつつありますが今度は木材以外の鉄鋼、他建築資材の価格高騰が追い打ちをかけていて住宅完成のコストは未だ高いままとなっています。

本来なら木材以外の鉄鋼資材や諸々の価格高騰が無ければ、国産木材の価格は輸入木材と比べ幾分かは高いかもしれませんがもう少しは国内生産、国内消費の動きが継続されて、内需の拡大も高まっていたのかもしれません。

そうすれば輸入コストからなる二酸化炭素の排出も抑えられ、国連の掲げる持続可能な社会への取り組みや国内の生産、雇用の創出向上など環境問題に対しては多くのメリットがかなえられたように思います。

しかし一方では国家間同士の輸出入量の条約の取り決め、貿易関係は国の存続に大きな影響を与えるもので簡単には整理できるものではないことが地産地消、国消国産のさまたげになっていることも事実です。

ここは政治的な役割がとても重要、まずはここからなんだなぁと思います。それぞれの国の代表が環境問題を優先に考えるのか、自国の利益を優先するのかで随分と変わってくるものと思います。

未来のために環境問題を重要として地産地消、国消国産、低炭素社会に進んでもらいたいものです。地球の未来のために。

そして日本国内の住宅着工数の約半分は大手ハウスメーカー、量産型住宅が占めていて残りの半分は地元工務店が丁寧に住宅を建てています。

国内の半分の工務店がこのような考え方を一社でも多く共有出来たら日本の家づくり、地域の家づくりは変わっていくものと思ったりもします。 

茶木均
茶木均

株式会社KUMUKU 代表取締役

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