同じに見える新建材と自然無垢材の違い

私が初めて住宅業界で職に就いたのは今から30年ほど前です。

就職先は富山県内外で木材の販売、製材、建材の販売など住宅資材全般を扱う大きな会社でした。県内の住宅会社や工務店、個人の大工さんなど多くのお客様に支えていただいて、その会社は今もシェアを大きく保持しています。

そこで、住宅建材の販売事業部で営業職に就いて、当時住宅着工数は程よく真っ盛りで毎日遅くまで残業し、たまに出前で夜食を取りながら日々の業務を遂行していたことを懐かしく思います。

 販売していた主な内装建材は「新建材」と呼ばれ、その大半は塩ビシートや樹脂などシートを接着した建材が普及していて当たり前のように大手ハウスメーカーや建築会社さんに採用され、納入させてもらっていました。同じ木目の印刷プリントが色の違いで品番が分かれている多種多様な、そんな時代です。実はそれって今でも変わりなく、当たり前のように使われ続けています。

自然趣向が高まり自然素材、無垢材の採用の比率が高くなりましたがそれでも、ローコスト住宅やハウスメーカー、工務店でも多くの会社で現在も採用され続けています。

ちなみにそれを良い、悪いを言おうというものではありません。それぞれの立場があります。

私は自然素材、無垢材が好きな人間なので、偏った見方をしますが今回は双方の特性に触れてほしい、そんなメッセージです。

で、話を戻しますが樹脂プリントシート貼りの建材(以後、新建材)と、自然素材や無垢材の違い、それぞれメリット、デメリット、必ずあります。

まず供給側(住宅建築会社)と需要側(お客様)から見る共通の「新建材を使うメリット」は以下のようなものです。

1.大量生産で価格が抑えられる、お求めやすい

2.コーティング等で日焼けなど色の変化がない 安心

3.工業製品の為、製品にムラが無い 住宅会社から見れば安心

4.傷が付きにくい、頑丈 安心できる素材

ではそれらの新建材のメリットを自然素材・無垢材に置き換えた場合はどのようなものになるか?

①.価格は新建材に比べると幾分か、それ以上は高い。これは工業製品のように大量生産できないため。天然素材である木は植樹から成長、伐採までの間にも手間暇がかかる。

②.日焼けなど経年で変化、またワックスを塗ることでも色が変化する

③.木目はどれ一つ同じものは存在しない。

④.樹種によって硬いもの、柔らかいものがある。

といった感じで、変換すると自然素材、無垢材はこんな感じです。

製品となるまで手間暇かけて色の変化を楽しめて、木目には個性があって硬い、柔らかい適材適所に用いる素材であることがわかります。

いうなれば自然素材、無垢材は知識がないと提案できない素材であるということです。

かたや新建材は、売る側住宅供給側とすれば値段の安価な売りやすいものを手離れよく、たくさん販売したい。大手ハウスメーカーは多くのお客様を次から次へと契約しお引き渡し、できるだけ住んだ後のクレームのような相談は受けたくない、結果、工業製品化された品質にムラの無い、きずが付きにくい新建材で仕上げることを主軸にしています。

当時、私も新建材の販売ではハウスメーカーの仕入れ担当者との交渉では第一にコストダウンと第二に傷に強いか、いつもこの2つは徹底して説明していたものです。

家は屋根があって壁に覆われて床や基礎があって、パット見た家は変わらずどれも家に見えるものですが今回のテーマ、内装に使われる材料にも樹脂シートが貼られている新建材と自然素材・無垢材とがあってパッと見、わかりにくいが、実はそれぞれ大きく違う物性であることを知ってもらえたらうれしいです。

あ、それと最後にもう1点ある大きな違いは、新建材では合板のプレス、圧着に使うボンドや樹脂シートからホルムアルデヒドなどの化学物質の含有量、放出量は☆マークで表示していることです。

新建材には含んでいるものが、そもそも自然無垢材は無添加です。含んでいません。

また新建材に記載してある「F☆フォースター」国内流通の多くは☆4つ最高レベルとして人体に影響はないとされていますがすべての人というわけではありません。

これらの対策は24時間換気に関係しますが、KUMUKUでの対策として、空気環境の改善ができる工法「通気断熱WB工法」を採用しています。詳しくはこちらをご覧ください。

茶木均
茶木均

株式会社KUMUKU 代表取締役

記事本文: 50